歯のコラム

2024年7月20日

歯周病になった人

こんにちは。東京都千代田区、「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」です。

歯周病は、虫歯と並んで歯の二大疾患と言われています。歯を失う原因になる恐ろしい病気ですが、高齢になってからかかる病気だと感じる人もいるのではないでしょうか。

日本人の成人の約8割が歯周病に罹患している、もしくはその予備軍だと言われています。若い方にとっても、身近な病気なのです。

今回は、歯周病を予防するためにはどうしたらいいか、具体的な方法を詳しく解説していきます。

歯周病とは?

歯周病イメージ

歯周病は、歯を支える組織が破壊されていく病気です。歯は、歯の根の表面のセメント質と歯槽骨が、歯根膜という繊維によって繋がっていてしっかりと支えられています。

歯周病になると、これらの組織が破壊されていきます。最終的には顎の骨が溶かされるので、徐々に歯を支えられなくなって抜け落ちてしまいます。

歯周病は、サイレントディジーズと言われることがあります。静かなる病気という意味で、痛みなどの自覚症状が現れにくく、気づかない間に静かに進行していくということです。気づいた時には、重度の状態にまで進行していることも少なくありません。

歯周病で破壊された組織は、元には戻りません。だからこそ、歯周病になる前に予防することが大切です。

歯周病になる原因

お口の中の環境が要因で歯周病になっているイメージ

歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)中に含まれる歯周病菌です。歯周病菌が出す毒素によって、歯の周りの組織が破壊されていきます。

歯周病の発症と進行には、歯周病菌の存在に加えて、間接的な要因があります。間接的な要因には、お口の中の環境要因と全身的な要因があります。

これらについて詳しく解説していきます。

お口の中の環境要因

歯周病菌が増殖しやすい環境を作りだす要因を確認しましょう。

歯石

歯石は歯垢が唾液の成分により石灰化したものです。歯石自体が歯周病を引き起こすわけではありませんが、歯石が付着していると必然的に周囲に歯垢が溜まり、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

歯石を除去せずに歯周病菌を取り除くことは難しいでしょう。

悪い歯並びや噛み合わせ

歯並びや噛み合わせが乱れていると、歯磨きが不十分になりやすいため、歯周病菌が増えやすくなります。また、噛み合わせが悪く、一部の歯に負荷がかかり過ぎると、その歯の周辺の歯周組織が傷つくので歯周病が進行しやすくなります。

不適合な被せ物や詰め物

被せ物や詰め物がしっかり合っていないと、隙間や段差に歯垢が溜まって歯周病菌が増えやすくなります。治療してから年数が経過していると、被せ物や詰め物に歪みが生じている可能性が高いので注意が必要です。

自分では気づきにくいので、定期検診でチェックしてもらうようにしましょう。

口呼吸

正常な呼吸は鼻で行われます。

しかし、何らかの理由で口呼吸が癖になっていることがあります。口の中が乾燥しやすくなり、歯周病菌が増えやすい環境になります。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯に強い負荷がかかるため、歯周組織に炎症が起こりやすくなります。夜間に歯ぎしりをしている場合や、集中している時に上下の歯を合わせている場合は、注意が必要です。

自覚なく行っていることも多いので、周囲の人に聞いたり意識して過ごしてみると良いでしょう。

全身的な要因

お口の中の問題だけでなく、生活習慣や持病などによる全身的な問題も、歯周病の要因になります。

喫煙

喫煙は、歯周病の発症・進行に大きく関わります。タバコに含まれるニコチンは、歯ぐきの血行を阻害し、歯周病を悪化させます。白血球の防御機能が抑制されるため、歯周病菌が繁殖しやすくもなります。

また、喫煙を続けていると歯ぐきが厚く固く繊維化し、治療しても治りにくくなります。

食習慣

不規則な時間に食事をとっていたり栄養バランスが偏っていたりすると、身体の抵抗力が下がるため、歯周病が進行しやすくなります。また、甘いものはプラークを増加させるため、歯周病菌が増えやすくなります。

免疫力の低下

ストレスや風邪などの体調不良で免疫力が低下している時は、身体の抵抗力が下がります。歯周病菌への耐性も低下するため、歯周病が進行しやすくなります。

女性ホルモンのバランスの乱れ

女性ホルモンのバランスが乱れると、一部の歯周病菌が増加しやすくなると言われています。妊娠中や授乳中、生理中などは、歯周病が悪化しやすくなります。

糖尿病

糖尿病は、歯周病と深い関わりがあります。相互に関係しており、糖尿病があると歯周病が進行しやすくなり、歯周病があると糖尿病が悪化しやすくなります。

歯周病菌が産生する毒素は、歯周組織を破壊するだけでなく、血糖をコントロールするインスリンの機能を低下させて糖尿病を悪化させるのです。

歯周病を予防するために自分でできることとは?

自宅で歯磨きをして歯周病予防をしている人

歯周病予防の基本は、プラークを徹底的に除去することです。

ただし、自分だけでは予防できないため、歯科医院での予防処置と並行して行うことが必要です。まずは、毎日の歯磨きでしっかりとプラーク除去できるようにすることが大切です。また、歯周病進行の要因となる生活習慣を見直すことも大切です。

具体的な歯周病予防方法を解説していきます。

丁寧な歯磨き

自分でできるケアの基本は歯磨きです。歯磨きを怠ると、歯周病菌を含む歯垢が歯に付着してしまいます。

歯周病を予防するためには、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットを意識して汚れを除去しましょう。ゴシゴシ磨くというよりは、小刻みに動かすイメージで歯磨きしてください。

寝ている間は、歯周病菌が増殖しやすくなります。寝る前の歯磨きは特に丁寧に行うようにしましょう。

清掃補助用具の利用

歯ブラシだけで落とせる汚れは、全体の6割程度だと言われています。歯周病を予防するには、歯間ブラシやデンタルフロス、ワンタフトブラシといった歯ブラシ以外の清掃補助用具の利用が必要不可欠です。

これらの道具を使い、歯と歯の間の汚れや、細かい隙間の汚れを落とすようにしましょう。

歯科医院のブラッシング指導

効率的で効果的な歯磨きを行うために、歯科医院のブラッシング指導を受けると良いでしょう。誰でも磨き癖があるので、自己流だとどこかに汚れが残ります。

歯科医院のブラッシング指導で、歯ブラシの当て方、動かし方、清掃補助用具の使い方を習得しましょう。

生活習慣の見直し

不規則な食生活、栄養の偏った食事、喫煙は歯周病を進行させる要因になります。自分の生活習慣を一度見直してみましょう。

特に、喫煙は歯周病のリスクを高めます。禁煙をすると、数週間で歯ぐきの免疫反応が回復してくると言われています。必ず良い影響がありますので、禁煙を検討してみましょう。

歯周病を予防するために歯科医院で行うこととは?

歯石除去をしている様子

歯周病予防には、自分でできるセルフケアと歯科医院で行うプロケアの両方が必要です。歯科医院では、次のような歯周病予防の処置を行っていきます。

歯石除去

歯周病予防には、歯石除去がとても重要です。いくら丁寧に歯磨きをしていても、歯石がついていると歯周病菌を十分に除去することができません。

歯石は自分では除去できませんので、定期的に歯科医院で除去する必要があります。歯ぐきに問題のない方でも、半年に一度は歯石除去を受けるのが望ましいです。

定期検診と合わせて、歯石除去を受けるようにしましょう。

PMTC

PMTCは、プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニングの略で、歯科医院で専門的に行う歯面清掃のことを指します。毎日の自分での歯磨きでは除去しきれない汚れを隅々まで徐々し、汚れが付着しにくいよう歯面をツルツルに磨き上げてくれます。

定期的にPMTCを受けることで、普段の磨き残しを取り除き、歯周病になりにくいお口を維持できます。

お口全体のチェックと治療

定期的にお口全体のチェックを行い、噛み合わせの状態や、汚れが溜まりやすい不適合な被せ物はないかなどを確認します。治療が必要な部位には適切な処置を行うので、口内を健康に保てます。

噛み合わせの調整

一部の歯の大きな負担がかかっている場合には、歯をわずかに削って噛み合わせを整えます。上述したとおり、噛み合わせが悪いと歯周病が発症・悪化することがあるので、噛み合わせの調整も非常に重要です。

被せ物や詰め物の作り替え

被せ物や詰め物の適合状態が悪くなっている場合には、作り替えを行います。銀歯やコンポジットレジンなどの場合、3〜5年程度で作り替えが必要になるでしょう。

セラミックなどの自由診療の素材の場合は、10年ほど使用できることもあります。

歯ぎしりや食いしばりの対策

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯周病が悪化しやすくなります。歯ぎしり用のマウスピースを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによって歯にかかる力を和らげることができます。

必要があれば、歯ぎしり用のマウスピースの作製を検討しましょう。

まとめ

歯周病予防について教えている歯科衛生士

歯周病を予防するためには、自分でできるセルフケアと、歯科医院で行うプロフェッショナルケアの両方が大切です。歯周病は進行すると歯を失う可能性のある病気です。

しかし、自覚症状が現れにくく、気づいた時には重度にまで進行してしまっていることが多いので注意が必要です。歯周病はかかる前に予防することが大切なので、ご紹介した予防法を取り入れていきましょう。

歯周病予防に興味がある方は、東京都千代田区、「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では、1本の歯を守ることにこだわって予防・治療を行っています。虫歯・歯周病治療のみならず、予防歯科や矯正治療、審美治療にも力を入れております。

当院のホームページはこちらWeb予約もお受けしておりますので、ぜひご活用ください。

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